国民呼称(Einwohnerbezeichnung)はすべて男性名詞になります。男性で代表させているから当然かもしれません。統計を取った訳ではないのですが、過半数は「-er」で終わり、残りのほとんどは「-e」で終わります。女性の呼称も併記しますが、こちらはもっぱら「-in」で終わります。
「-e」で終わる名詞は女性名詞が多いのですが、人を表すときには男性名詞になります。知る限り、例外は「Deutsche {f}:ドイツ人女性」だけです。
国民呼称は男性名詞
「-er」で終わる
- Deutscher {m}/Deutsche {f}:ドイツ人
- Amerikaner {m}/Amerikanerin {f}:アメリカ人
- Italiener {m}/Italienerin {f}:イタリア人
- Japaner {m}/Japanerin {f}:日本人
「-e」で終わる
- Chinese {m}/Chinesin {f}:中国人
- Franzose {m}/Französin {f}:フランス人
- Russe {m}/Russin {f}:ロシア人
- Burmese {m}/Burmesin {f}:ビルマ人(「Birmane」とも言うそうですが聞いたことがありません)
その他
- Filipino {m}/Filippinerin {f}:フィリピン人
- Israeli {m}/Israelin {f}/Istaeli {f}:イスラエル人
- Jemenit {m}/Jemenitin {f}:イエメン人
- Sowjet {m}/Sowjetin {m}:ソビエト人
我が国の呼称に「にっぽん」と「にほん」があるように、ミャンマーには「ミャンマー」と「バマー」という二つの呼称があります。国が対外的に「ミャンマー」という呼称に統一しても、ドイツ語では「ミャンマー人」に相当する「国民呼称」はまだないようです。ドイツにはイラン人を「Perser {m}/ペルシャ人」という人もいます(後者は語族名称)。一度覚えた言葉は、そう簡単に変えられるものではないということか。
ちなみに1964年の東京オリンピックを前にして、日本は対外的に「Nippon/にっぽん」にしようという話がありましたが、これオリンピック後に定着したでしょうか。
(この稿、続く)