ほとんどが男性の名詞を挙げます。これから少しずつ例外が増えていきます。
気象現象のほとんどは男性名詞
海象(カイショウ(セイウチではない))を除く気象現象。予想はしていましたが、例外を探しているうちに男性名詞がたくさん集まってしまいました。もったいないので列挙しておきます。
- Regen {m}:雨
- Schnee {m}:雪
- Hagel {m}:雹(ヒョウ)
- Nebel {m}:霧(キリ)
- Tau {m}:露(ツユ)
- Reif {m}:霜(シモ)
- Wind {m}:風
- Blitz {m}:稲妻
- Donner {m}:雷(カミナリ)
- Sturm {m}:嵐
- Blizzard {m}:猛吹雪
- Tornado {m}:竜巻
- Föhn {m}:フェーン
- Taifun {m}:台風
- Monsun {m}:モンスーン
- Samum {m}:シムーン
- Passat {m}:貿易風
- Scirocco {m}:シロッコ
- Vento {m}:ヴェント風
- Ost {m}:東風
- West {m}:西風
- Süd {m}:南風
- Nord {m}:北風
例外:
- Bora {f}:ボーラ風
- Brise {f}:微風(ビフウ/ソヨカゼ)
- Bö {f}:突風
- Graupel {f}:霰(アラレ)
まず頭文字「B」の風は女性名詞と覚えます。そして(鳥山明先生の)アラレちゃんが女性ロボットなので、霰(アラレ)も女性名詞と覚えます。もっとも「Hagel {m}」を霰(アラレ)と訳す場合もあるので、そのまま覚えるべきでしょうか。ちなみに氷塊の大きさの比較では
- Hagel {m} > Graupel {f}
- 雹(ヒョウ) > 霰(アラレ)
だそうです。
- Klima {n}:気候
は残念なことに規則性から外れて中性になっています。しかし「気象現象は大部分が男性名詞、一部が女性名詞」と覚えておいて間違いありません。
除くと書いた海象現象ですが、日本語由来の名詞をあえて挙げます。
- Tsunami {m}/{f}:津波
男性名詞か女性名詞か決まっていません。「Strum {m}:嵐」の類推から男性名詞、「Flutwelle {f}:潮波」から女性名詞なのでしょうか。
- Lüftchen {n}:微風(ソヨカゼ)
しつこいようですが、「-chen」で終わる縮小名詞なのでここでは例外とはしません。
日本でもドイツでも、海流と海洋波(磯波を除く)は名前の示す方向に流れ、または進みます。例えば、「Nordströmung {f}:北潮流」と「Nordwelle {f}:北進波」は北に向かいます。しかし日本でもドイツでも「Nord {m}:北風」は北から吹いて来て、南に向かいます。風だけ方向表現が逆なのは、「Windrichtungsgeber {m}:風見鶏」の示す方向で風を表現したからと言われています。確かに北風に負けて南を指す風見鶏はあって欲しくはありません。
風見鶏の方向は一緒でも日本とドイツではその捉え方が異なるようです。日本では比喩的に日和見主義を形容する言葉として使われていますが、ドイツでは逆に強風に雄雄しく立ち向かう頼もしいイメージがあります。
(この稿、続く)