ここからは単語の意味によって性を判断します。男性的なものは男性名詞で、女性的なものは女性名詞という決まりはないのですが、自然の性にはほぼ従います。「人や動物の男性、雄を表すものは男性名詞、女性、雌を表すものは女性名詞、ただし子供は中性名詞」というのが基本的な規則で、例外は、すぐここで覚えられる程の数しかありません。
男性の人は男性名詞
Mann {m}:男;夫
Vater {m}:父
Sohn {m}:息子
Onkel {m}:おじ
Bruder {m}:兄か弟
Cousin {m}:いとこ(男)
Neffe {m}:甥
Greis {m}:老人(男性の)
König {m}:王
例外:
- Schwuchtel {f}:同性愛者(Schwuler {m}:というのが一般的)
- Transsexuelle {f}:性転換者(女性への)
さすがに例外は無いと思っていました。確かに自然の性は男性だから例外になります。
縮小名詞の
- Sandmännchen {n}:砂男(妖精)
- Mandl {n}:小男
などは例外にしないことは既に述べました。そうしないと、上記の「Vater {m}:父」も「Väterchen {n}:父ちゃん」になど、例外は無数に作れてしまいます。
女性の人は女性名詞
- Frau {f}:女;妻
- Mutter {f}:母
- Tochter {f}:娘
- Tante {f}:おば
- Schwester {f}:姉か妹
- Cousine {f}:いとこ(女)
- Nichte {f}:姪
例外:
- Weib {n}:女
英語の「wife:妻」と共通の語源を持つそうですが、ドイツ語では妻という意味では使われなくなっています。「軽蔑を表す中性」と言って、他の性の名詞を中性にすると軽蔑的な意味を含ませることができます。この単語もそのひとつかも知れません。ただし形容詞の
- weiblich {adj}: 女性の
に軽蔑的な意味はありません。むしろ「女らしい」「優しい」など尊厳的なニュアンスさえ含まれます。余談ですが、男性に対して軽蔑的に「女々しい」「女みたい」と言いたいならば、
- weibisch {adj}:女々しい
があります。ぜひ使ってみてくださいとは言いません。
- Drachen {m}:口うるさい女
「凧(タコ)」の他にこんな意味があります。女性の人でありながら男性名詞なので、これも例外です。
- Transsexueller {m}:性転換者(男性への)
自然の性は女性です。
(この稿、続く)