ウムラウトのアルファベットは「Ä ä」「Ö ö」「Ü ü」の三つがあります。それに加えて「¨」を使わないでウムラウトの発音で読むアルファベットがあります。
言語語学者によれば本来、アルファベット自体に子音と母音の区別があるのではなく、その文字がどう使われるかによって決まるそうです。ドイツ語の場合「Y y:イュプスィロン」は子音としても母音としても使われます。辞典を注意深く読むと、母音の場合そのほとんどが「ウー・ウムラウト」と同様の発音になることが分かります。これまでと同様、短母音と長母音があります。
辞典の単語の「Y y」の位置に発音記号「ʏ」があれば短母音です。そもそも「Y y」自体が発音記号「ʏpsilɔn」なので、正にウー・ウムラウトで始まっています。少し当たり前の話だったかもしれません。アルファベットをそのまま読むのがドイツ語の発音の基本ですから。
Myrte {f}: ギンバイカ(銀梅花)
「ミュルテ」
あろうことかドイツ語では「ミルテ」であると有名サイトに載っていました。早速、修正をお願いしたところです。
婚礼の飾りとしてブーケやリースにする花として有名です。
Gymnastik {f}: 体操
「ギュムナスティク」
mysteriös {adj}: 神秘的な
「ミュステリオース」
オー・ウムラウトの方が長母音になります。
Rhythmus {m}: リズム
「リュトゥムス」
これまでは短音ということで片づけてしまいましたが、発音記号に「y」とあれば半長音と言って長短の中間の長さに伸ばします。もちろんそんな微妙なことできるわけありません。長音にならない程度と考えれば充分です。
Dynamik {f}: 動力学
「デュナーミク」
以前書いたと記憶していますが、力学(Mechanik)の一分野です。
Pyramide {f}: ピラミッド
「ピュラミーデ」
Azetylen {n}: アセチレン
「アセチュレン」
Kybernetik {f}:サイバネティックス
「キュバネティク」
ウー・ウムラウトの発音で読まない母音の「Y y」を挙げておきます。探しまくってやっと見つけた単語です。それほど少数派です。発音記号は短母音「i」または「ɪ」で、それぞれ閉母音、開母音と呼びます。その違いはウムラウトと関係ないので、辞典の巻末などを参考にしてください。と逃げておきます。長母音は閉母音の「iː」のみです。長短母音それぞれ1例ずつ挙げます。
Rugby {n}: ラグビー
「ラグビ / ラグビー」
開閉母音どちらでもよいそうです。
Ysop {m} :ヒソップ
「イーソップ」
ヨーロッパ南部、特に地中海沿岸、アジア西部にかけて植生する植物です。
Hybride {m}:ハイブリッド
「ヒブリーデ」
時計や自動車にこの名前を冠したものがありますが、本来は同類異種動物を人為的に交配させて作った交雑種を指します。身近な生物として、ロバと馬からのラバ、カモとアヒルからの合鴨などがありますが、一般に生殖能力がなくモラル的に禁止される動きがあります。力学計算の求解法のひとつに「Hybridmethode {f}」なるものもあります。
(この稿、終り)