ウムラウト その2

 今回は「Ö ö:オー・ウムラウト」の発音です。前回の「Ä ä:アー・ウムラウト」と同様に「O o」は口の形、「¨」は「E e」の発音を表します。

 「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」という川柳がありますが、当の von Goethe がそれを聞けば「ゲーテとは俺のことか?」とも問うでしょう(「Oe oe」は「Ö ö」と同じ)。このようにオー・ウムラウトはカナ書きできません。しかし発音はもちろんできます。

 自説ですがウムラウトは口の形から入るのが常套です。すなわち「エ」と言いながら「オ」の口にするのではなく「オ」の口にして「エ」と言います。もちろん本来は同時です。最初は大げさに下あごを下げ唇を丸く突き出し「エ」と言いましょう。唸る人がいますがそんな必要はありません、母音ですから。軽く吐く息の力で音を出します。一度だけ、発音のできる人に真似て発音すれば確実にできます。

 練習問題として例を挙げます:
  短母音:
   Ökonomie {f}: 経済性
   öffnen {vt}: 開ける(例: Sesam, öffne dich!  開けゴマ)
   öffnentlich {adj}: 公(おおやけ)の
   Köln: ケルン市
    大聖堂(Kölner Dom) で有名な都市
    オーデコロン(Kölnisches Wasser)発 祥の地としても有名
    Kölner or Kölnisch? Why German people?
   können: できる
   köstlich {adj}: 美味な
  長母音:
   Öde {f}: 荒野
   ölen {vt}: 油を差す、油を塗る
   österlich {adj}: 復活祭の
   Knödel {m}: クノーデル
   hören {vt/vi}: 聞く
   königlich {adj}: 王の

(この稿、続く)