名詞の性の見分け方、規則性はすぐに見つかるものの、規則に従わない例外を見つけるのに苦労しています。今回は、語尾による規則の中でも例外が少ないものばかりです。
「-ment」で終わるものは中性名詞
- Dokument {n}:記録,文書
- Element {n}:要素
- Fundament {n}:土台,基礎
- Instrument {n}:器具;楽器
- Moment {n}:契機;モーメント;運動量
例外:
- Moment {m}:瞬間;時機
- 意味によって性が変わる名詞と言うより、別の名詞と考えたほうが覚えやすいと思います(個人的感想です)。
- Einen Moment, bitte. ちょっと待ってください。
- などと使うことを思い出せば男性名詞だとわかります(「einen」は4格の男性名詞の不定冠詞だから)。
- この例(einen Moment)のように名詞の4格は副詞または副詞句になることがあります。名詞の2格も同様です:例えば「eines Tages:ある日」「meines Wissens:私の知るところでは」など。また話が脱線しましたところで、次に進みます。
「-um」で終わる名詞の大部分は中性名詞
「-aum」で終わる男性名詞を除き、さらに以下の限定を付けます。
(現在でも使われている古典語は中性名詞)
- ラテン語由来:
- Album {n}:アルバム
- Datum {n}:日付
そうは言っても古典語かどうか見分ける方がむしろやっかいです。元素名はラテン語または古典ギリシャ語の由来のものが多く、よって古典語も多いということがわかります。元素名については別の機会に述べます。
- ラテン語由来:
- Gallium {n}:ガリウム ← Gallia(発見者の祖国フランスの雅称)
- Silicium {n}:珪素,シリコン ← silex(珪砂)
- ギリシャ語由来:
- Neon {n}:ネオン ← neos(新しい)
- Helium {n}:ヘリウム ← helios(太陽)
(「-ium」で終わる名詞)
なぜか金属の語尾と言われていますが、非金属の名称にも多い語尾です。それはともかく、ここでは金属以外の名詞を挙げます。
ラテン語の名詞にも性があって「ium」は中性名詞の語尾だそうです。同じことがラテン語直系のドイツ語に受け継がれていても不思議ではありません。
- Kriterium {n}:基準
- Medium {n}:媒体
- Planetarium {n}:プラネタリウム
- 「プラネターリウム」と「a」にアクセントを付けて発音してください(英語でも同じです)。
- Studium {n}:勉学;研究 ← ラテン語由来の古典語
(「-mum」で終わる名詞(特に数学用語))
- Maximum {n}:最大値
- Optimum {n}:最適
- Signum {n}:符号
- Residuum {n}:剰余
- Privatissimum {n}:大学の講義(小人数の)
例外:
- Samum {m}:シムーン(砂嵐)
- 外来語(アラビア語)です。気象用語なので男性名詞、以前述べた規則どおりです。
(「-rum」で終わる名詞)
- Forum {n}:フォーラム
- Monstrum {n}:怪物
- Nitrum {n}:硝石
- Serum {n}:血清
- Zentrum {n}:中心
例外:
- Trum {m}{n}:ストランド(ベルト駆動機構のベルト芯)
- まず人生で一度もお目にかかるはずのない単語です。例外なしと考えてよいと思います。
(「-tum」で終わる名詞)
- Judentum {n}:ユダヤ教
- Kompaktum {n}:コンパクト
- Königtum {n}:王位;王国
- Momentum {n}:運動量
- Wachstum {n}:成長,生長;発育
例外:
- Irrtum {m}:錯誤(さくご)
- Reichtum {m}:富
(この稿、続く)