単語の字面を追ってもアクセントが正しくないと通じないことがあります。特に、日本人の多くは英語を学んでから、ドイツ語を学ぶのでアクセントも英語的になってしまうようです。そこで、日本人がアクセントに気を付けるべき単語を挙げてみます。恥ずかしいのでドイツ語ネイティブの人は読まないでください。
アクセントを置くべき位置にアンダーバーを付けます。
- Schnee {m}:雪
TV番組で、ある雪国の町にある「シュネー」という喫茶店を紹介していました。店の人がインタビューに応じて、「シュネー」とはドイツ語で雪のことですと言っていました。そのとき初めてその「シュネー」が「Schnee」のことと気付きました。「シュ」の方にアクセントがあったのでそう聞き取れなかったのです。やはりアクセントは大事です。
この単語については以前にも書きました、気象用語の多くがそうであるように男性名詞です。試験にはデヤシュネー「der Schnee」とでも覚えましょうか。
- Arbeit {f}:仕事
日本人にとってなじみの深い単語です。これも以前に書きましたが、ドイツ語の本来の意味は「(本職の)仕事」です、副業やパート職ではありません。アクセントも「アルバイト」とは違って最初の「A」に来ます。言うまでもなく「ト」は「to」と母音を付けてはいけません。
- bequem
分綴(ブンテツ)は「be | quem」ですが「ベク | ヴェーム」と発音します。
- Ego {n}: 我
「E」のアクセントは強めです。「え号」てな感じ。
- Energie {f}:エネルギー
語頭の「e」にアクセントがある英語の「energy」と違って、語尾の「gie」にアクセントがあります。また姑息な手段ですが、「エネギー」と言って、「ネ」のときに短く「r」を発音します。
- Fabrik {f}:工場
これも英語の「fabric」と違って、後ろの「i」にアクセントがあります。分綴は「Fa | brik」ですが「ファブ | リーク」と発音します。「ファブ | リック」と言う人もいます。
- Familie {f}:家族
ドイツ語の習い始めに覚える単語です。語尾を「リー」と伸ばしてしまいそうですが、「ファミーリエ」と結びます。
- Theorie {f}:理論
同じ「ie」でも、この単語の場合は「リー」と伸ばします。
- Musik {f}:音楽
「Mu」は「ミュー」ではなく「ム」です。「ムジーク」と言えば、ほぼ正解です。
- Planetarium {n}:プラネタリウム
聞き手が意地悪だったのか、日本語風に「プラネタリウム」と発音しても通じなかったことがあります。「プラネターリウム」と「タ」を伸ばします。
- Psycho {m}
「Ps」を子音、アクセントがある「y」を母音と思ってください。ヒッチコックの「Psycho:サイコ」と言えば分るように英語ではそう読みます。その意味は:
・「Psychokrimi:精神犯罪」の短縮形
・精神犯罪者
のどちらかであると「Duden」に載っています。
発音を、強いてカナ書きすれば「ピュヒョ」でしょうか。「Ps」はひとつの子音なので「ピスヒョ」ではありません、「ピュ」は一気に唾を吐く感じです。
- Doktor {m}
単数では前の「o」にアクセントがあります。「ドクター」ではなく「ドクトア」です。
Doktoren {pl}
複数になると後の「o」にアクセントが移ります。今度は「ドクトアレン」ではなく「ドクトーレン」です。
Doktorin {f}
女性名詞になってもアクセントは後の「o」に移りますが、そうしない人もいます。
Doktorinnen {f}
それがまた複数になるとさらに後の「i」にアクセントが移ります。
切りがないのでこの辺で終わります。アクセントは単語の意味を覚えるより簡単です。一度正しい発音を聞けば良いだけです。すぐに言語中枢が記憶します。逆に言えば、一度間違って覚えたアクセントは直しにくいものです。
(この稿続く)