ドイツ語の発音(2)

ドイツ語の発音について小うるさいウンチクの続きです。
日本語の五十音の最後「ん」に二通りの発音(口の動き?)があるのをご存知でしょうか。これを人に言うと例外なく冗談と捉えられます。日本人は自然と使い分けているので気が付かないだけです。あなたはどうでしょうか。

まず、「本郷(ほんごう)」と大きく声に出して言ってください。「ほ」から「う」まで、ほぼ変わらず「ほ」の口のままではなかったでしょうか。次に、それを忘れない内に「般若(はんにゃ)」と言ってください。「は」から「にゃ」と言う間に口が大きく開閉したはずです。

ここで本題です。多少の個人差はあると思いますが、「本郷」と「般若」で「ん」が違うことが分かると思います。「本郷」の「ん」では舌の動きがありませんが、「般若」の「ん」では舌が上顎に付きます。日本語のほとんどの「ん」は「般若」の「ん」で、「本郷」と同じ例はあまりありません。あえて思いつくのは「香港(ほんこん)」でしょうか。

前稿の「Hund」の話にもどります。「Hund」の「n」が正に「本郷」の「ん」に近い発音です、舌を上顎に付けません。どれだけ発音が難しい単語かと思われるかも知れませんが違います、それほど「フント」というカタカナ発音が「Hund」とかけ離れているという話です。

(この稿続く)