前稿までとは逆に「女性(雌)を表す名詞」を「男性(雄)を表す名詞」に変える、言わば男性化の話をします。
語尾変化どころか単語自体が変わるのがほとんどです。
Hebamme {f} ⇒ Geburtshelfer {m},Entbindungspfleger {m}:
産婆,助産婦 ⇒ 助産師
Hure {f} ⇒ Strichjunge {m},Stricher {m}:娼婦 ⇒ 男娼
Krankenschwester {f} ⇒ Krankenpfleger {m}:看護婦 ⇒ 看護師
男性名詞の動物の名前は、明確に雌雄を区別するものではありませんが、女性名詞の動物の名前は雌(牝)を意味します。
Kuh {f} ⇒ Bulle {m}、Stier {m}、Ochse {m}:牛、牝牛 ⇒ 牡牛
Katze {f} ⇒ Kater {m}:猫、雌猫 ⇒ 雄猫
Wildkatze {f} ⇒ Kuder {m}:山猫
女性化する語尾「-weibchen」に対して男性化する語尾「-männchen」があります。どんな動物の名前にもこれを付ければ雄になります。
Hasenmännchen {m}:雄のウサギ
Gorillamännchen {m}:雄のゴリラ
狩人用語(Jägersprache)では、小動物の雌(メス)を示すには「Katze:雌猫」と言うそうです。それならば雄(オス)を示すには「Kater:雄猫」となりそうです。ところがどっこい「Kuder:雄山猫」と言うそうです。
さすがに象の雌を「Katze」とは言わないと思います。あくまで小動物に対しての表現です。
一般的にはやはり
-männchen / -weibchen
を語尾に付けるか
männlich / weiblich
で修飾するかでしょう。しかしこうするとどうしても「märchenhaft:メルヘンチック」になってしまいます。
(この稿、終わり)